ちょっと前に、このブログを読んでくれた友人との会話。

マイル貯めるために飛行機に乗る人がいるんですね〜

えっ!マイル貯めるために乗るんじゃないよ。マイルは無料で飛行機に乗るために貯めるの。特にビジネスやファーストなんか、普通の経済力じゃ自腹切れない価格だけどマイルでなら乗れるから。

え?でもプラチナだとか、ステイタスを持つために、用事もないのに飛行機に乗ってマイル貯めてるって話じゃないの?

も〜!だからそれはマイル(マイレージ)じゃなくて、プレミアムポイント*だってば!
*ANAの場合。JALではフライオンポイントと呼ばれる。
この話は彼に一度したことがあるのですが、やっぱり普通の人は混同しちゃいますよね。
なので一度しっかりまとめておきたいと思います。
尚、このブログの名前通り、今回はANAメインで説明していきます。
貯まるのは「マイル」「プレミアムポイント」「ライフタイムマイル 」の3つ
これはTV番組「沸騰ワード10」でも風間俊介氏が何度か力説してたんですけど、それでも「マイル貯めてる」って言われてましたが、マイレージ会員となって貯められるのはANAの場合、次の3つです。
1)マイルは特典航空券に引き換え可能なもの。飛行機に乗らなくてもあらゆる方法で溜められる
特定の航空会社のマイレージ会員となると、貯められるものとして、最も有名なのが、この「マイル」ですよね。
そしてこのマイルはあらゆる方法で貯めていくことができます。
マイルの貯め方は様々
飛行機に搭乗してマイルを得る
その会社や同じアライアンス(ANAならスターアライアンス、JALならワンワールド)に加盟している航空会社の飛行機に乗ることでマイルを得ることができます。
また、それ以外に「マイレージ提携航空会社」の飛行機に乗ることでも貯めることができます。
これと、スターアライアンス加盟会社との違いは、マイレージ提携航空会社への搭乗によってANAのアカウントに貯められるのは、文字通り「マイルだけ」なのです。一方、後述しますがスターアライアンス加盟航空会社だとマイルの他にプレミアムポイントも貯められます。
ANAと「マイレージ提携」しているのはこれらの航空会社(こちらから確認できます)。予約クラスによって貯められない場合もありますので、必ず「>積算率を詳しく見る」でチェックしましょう。
ANAクレジットカードでのショッピングでマイルを得る
これもマイルの貯め方としては有名ですね。 amexや ANAダイナースカードなどでは入会ボーナスなどが大きいほか、貯まったポイントのマイルへの交換は自分で好きな時にできるので、実質期限がなく、便利です。

ANAと提携している様々なサービスの利用で貯める
特定のホテルの宿泊や、チェーン店の利用、その他のサービスの利用でも貯めることができます。→詳しくはコチラ


ポイントサイトなどで貯めたポイントをマイルに変換
これをやって大量のマイルを得ている人たちが陸マイラーと呼ばれています。
参考

貯めたマイルの使い道は?
特典航空券
これは1番は「特典航空券の発券」です。つまりお金を払うことなく航空券を発券できるのですが、特に国際線のビジネスクラスやファーストクラスといった、有償だとなかなか手が出せない値段のチケットを得たい人が多いようです。
ただ、枠が小さく、なかなか取れないのが難点。上級会員になると枠が増えるので撮りやすくなります。
アップグレード
エコノミーからビジネスクラスや、ビジネスクラスからファーストクラスにアップグレードするのにも使えます。しかし、アップグレード対象の予約クラスはエコノミーでも高額になりがちなので、あまり割りのいい使い方ではないことが多いです。
提携サービスでの利用
ANAと提携しているサービスで利用することもできます。→詳しくはコチラ
スカイコインに替えて、現金の代わりに有償航空券の購入に充てる
これも有用な使い方として人気です。貯めたマイルをスカイコインという一種の通貨に替え、ANA日本サイトからの購入に限り、1スカイコイン=1円として利用することができます。
マイルからスカイコインへのレートは、換えるマイル数やステイタスによって変動し、1マイルあたり1〜1.7スカイコインになります。→詳しくはコチラ

航空券が欲しいなら、そんな回りくどいことしなくても特典航空券に換える方がいいんでは?

もちろんそうなんですが、スカイコインにして有償航空券にするのは主に
1)特典航空券にするほどのマイル数がない
2)ステイタス獲得を目指している時、特典航空券だとプレミアムポイントが付与されない
という理由が多いと思います。
単純に航空券が欲しいだけなら、特典航空券の方が必要なマイル数は少なくて済むことが多いのですが、マイルの期限が迫っているのに必要マイル数ほどのマイルが貯まってない場合はスカイコインにすれば、そのスカイコインの有効期限が1年ありますし、航空券購入の際に「現金+スカイコイン」で支払うことができるのです。例えば6万円の航空券に対し、1万スカイコインと5万円の現金といった感じです。
また、上級会員のステイタスを得たい場合、特典航空券では後述のプレミアムポイントが得られませんので、有償航空券の購入が必要となりますが、現金でなくてもスカイコインで購入したものでもプレミアムポイントがつきます。
プレミアムポイント(ANAの名称)は飛行機に乗ることでのみ獲得可能。この数であなたのステイタスが決まる
これこそが、ANAのステイタスを得るのに必要なポイントです。
全てのダイヤモンド、プラチナ会員は前年度にそれだけ搭乗している
前に、CAさんが希望のメニューを出せなくて「俺はダイヤモンド会員なのに?!」と威張られてしまった、というTweetがバズってるのを見かけたことがあるのですが、そこで
「ダイヤモンド会員なら機内食いっぱい食べてるんだから一度くらい違うのでも良いだろうに」とリプされてた方に
「陸マイラーかもよ?(だからそんなに飛行機に乗ってるわけじゃないんじゃないか、という意味)」
というリプがついてました。
これは大きな誤解。
ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズ、といったステイタスを得るには、それぞれ1年のうちに10万、5万、3万プレミアムポイントを得なくてはなりませんが、そのプレミアムポイントはANA便かスターアライアンス加盟航空会社の便に乗ることでしかつかないのです。
つまり、全てのダイヤモンド会員というのは、前年度にめちゃくちゃ飛行機に乗ってる人、ということになります。(今年度に10万ポイント分乗ってしまえば、今年度中からダイヤモンド会員の待遇になりますが、今年度中は正確には事前サービスを受けている身分ということになります)
ステイタスや上級会員とは何か
いわゆる「超常連」がダイヤモンド会員、「常連」がプラチナ会員、といったところです。ブロンズも「いつもご利用ありがとうございます」とチェックインカウンターで言ってもらえることがありますが、そんなに大した待遇は受けられません。
プラチナになると、優先列に通してもらえる、ラウンジが使える、前方の足元の広い席など人気のある席を取りやすくなる、預け荷物が早く出てくるように優先タグをつけてもらえる、優先搭乗できる、などの待遇が受けられます。

一旦プラチナに到達すると申し込めるスーパーフライヤーズカード(SFC)というクレジットカードを維持していればスターアライアンスゴールド資格を保持できる
このダイヤ、プラチナ、ブロンズ、というのは達成した年の翌年度末(3月)までで終了するので、基本的にそれらのステイタスを維持し続けるには毎年それだけ乗らなければなりません。
ですが、プラチナに到達すると、ANAのプラチナデスクを通して、Super Flyers Cardというクレジットカードを申請することができます。
このクレジットカード保有者はスターアライアンスゴールドというスターアライアンス加盟の航空会社全てに一定の待遇(優先レーン、搭乗、タグ、ラウンジ)を受けられる資格を持ち続けることができます。
ですからクレジットカードの年会費を払って維持し続けている限り、飛行機に乗らない年があってもSFC、スターアライアンスゴールドとしてのステイタスは維持できます。
なお、JALにも同様のシステムがあります。
さらにライフタイムマイル という制度もあり
最後に、ライフタイムマイル というのは何かというと、上のプレミアムポイントが1年毎にリセットされるものであるのに対して、マイレージ会員になって以降、搭乗するたびにずっと積算されるものです。
また、これは特典航空券での搭乗分も積算され、実際の飛行距離が加算されるようです。(マイルやプレミアムポイントは予約クラスやエリアによって積算率が異なる)
これは貯まってなんの意味があるかというと、
ANAのライフタイム50万、100万、200万、300万、400万と達するごとに色の違う高級なネームタグがもらえる(ANAとスターアライアンスの合算のライフタイムマイル は100万の時)。

ネームタグ。ふ〜ん…
そして100万ライフタイムマイルに達すると、マイルが無期限になる、いつでもスーパフライヤーズカードに申し込める(プラチナ/ダイヤのステイタスを持たない年度でも申し込めるということ)

う〜ん、まあマイルの有効期限を気にしなくていいのは気楽か…
そして200万ライフタイムマイルに達すると、以降ずっとANA“スイート”ラウンジを使えるようになる

あ、ダイヤモンド会員しか使えない、スイートラウンジを翌年度末までと言わず、以降死ぬまでずっと?(ANAが消滅しない限りね)
そりゃ憧れる。
と言っても、200万ライフタイムマイル って、羽田からパリだと108往復ですけどね…(年に10往復しても11年)
デルタだと飛行機に乗らずして上級会員になれる?!
このように、基本的に航空会社の上級会員というものは、めちゃくちゃに搭乗しないとなれないものなのですが、なんと日本在住の デルタアメックス会員だけは初年度ゴールドメダリオン というANAのSFCに近いような資格を得ることができ、次年度以降も年間150万円以上のカード決済をしていれば維持できる、という破格の待遇が得られるというのです。


とりあえず、ほとんど多くの人にとって、飛行機に乗って貯めるってマイルでしょ、って認識ですが、実はこういうことになってるんだ、ってお分りいただけたでしょうか。

まあ、上級会員になるにはプレミアムポイント (ANA)なんだということはわかった…
そういうことです。
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