ご存知の方も多いと思いますが、フランスはとにかくストライキの国。労働者が強い国なんです。お客さんの利便性より労働者の権利の方が重視されるということです。
私も以前、エールフランスのストの影響を受けたことがあります。

基本的にストってものは定期的に起こるものなのですが、来月の2019年12月5日からパリのメトロの運営をしているRATPが無期限ストに入るとの話。
む、無期限…
一応数年パリに住んでいましたが、さすがにそんなストは聞いたことがないですね。
今回はメトロやバスが動かないならパリに行っても観光にならない?と慌ててる方に、まあまあそんなこともないのでは、という記事です。
もちろんこれから予定を立てるなら、敢えてストライキ中に行く必要はないと思うのですが、ノエル(クリスマス)の雰囲気を味わいたいと来月に計画されてる方もいらっしゃるでしょうし、今後もストが起こることもありますから、観光日程とストが重なってしまった時どう観光するか?ということを考えていきたいと思います。
おそらく全てがストップするわけではない
実は私、数年住んでいて、出かけたいのにストで全く出かけられなかったって記憶がないんですよね。なんか急に本数が少なくなってて電光掲示板の「あと何分」っていうのが機能しなくなってて、アナウンス流れてるけど聞き取れないぞ…、あ、来た、うわー満員で乗れないわー(でも考えてみたら東京の埼京線の毎朝の状況よりマシなんですけどね笑 その状態ではパリでは乗れない判定です)っていうのは何回かあったように思うのですが。
あと、バスなんかも「あと5分」って出てるから待ってたら、急に「ーーmin」ってなり、ん?と思ったら急に不通になったってのも記憶にありますが、あれはストとは関係ないか?
とりあえず、何がどう止まるかは前日に発表(分かったらこちらも更新します)なのですが、とあるパリジャン曰く、全てのメトロとバスが止まるわけではないだろうということです。
メトロでも無人運転の14号線は動くだろう、と彼は言っています。
12月18日、無人運転の14号線がテクニカル問題で一時的に停止
このようなツイートが。
無人だからストの影響受けないと思ってましたが、こういうことあるわけですね…
取り急ぎの追記:12月4日の在パリ日本大使館によるメール
取り急ぎ、大使館のメールを貼らせていただきます。
●この他,警察,消防,病院,役所,郵便局,電力会社,教育機関
●また,12月5日(木)は各業界の労働組合等がデモの実施も呼
RATP:https://www.ratp.fr/
https://www.ratp.fr/travaux-ma
SNCF:https://www.sncf.com/fr/i
Transilien:https://www.transil
エールフランス航空:https://www.airfranc
(1)警察:12月5日10時~15時まで2つの労働組合がスト
(2)消防:6月からストライキを実施中。但し,緊急事態対応を
(3)病院:3月から緊急医療サービスでストライキが実施されて
(4)役所:県庁や市役所などの公共サービスに所属する労働組合
(5)郵便局:郵便物の配達や郵便局への登録に影響がおよぶ可能
(6)電力会社(EDF):3つの労働組合が参加を表明。一部の
(7)教育機関:フランス全土にまたがる3つの労働組合が参加を
(8)運送業:2つの労働組合が12月5日から無期限ストライキ
https://paris.demosphere.net/r
●パリ東駅(14時に以下のルートにてナシオン広場に向けてデモ
Gare de l’Est > Bd Magenta > Republique > Bd Voltaire > Nation
(レピュブリック広場からは場合により以下のルートに変更の可能
Pl. de la Republique > Av. de la Republique > Bd Menilmontant > Nationこのメールは,在留届にて届けられたメールアドレス及び「たびレ
【問い合わせ先】
在フランス日本国大使館領事部
電話:01-4888-6200(海外からは +33-1-4888-6200)
メール:consul@ps.mofa.go.jp
RATPのスト予告のフランス語表記の見方 (12月10日の場合)
上の
では、毎日「一応」どんな風に停滞するか予告されています。
例えば12月10日について。(全ては書いてませんが、副詞が違う程度なので、下の説明を元に理解してください。毎日変更になります)
通常運転、ただし時間によって満員状態になる恐れがある
かなりストの影響あり、6時半から9時半と、16時半から19時半の間は3本に1本だけ動いでる状態。そしていくつかの駅は閉鎖
これはもうストップするってことですね(汗)
12月18日 現地パリジャンの話
バスは動いてるので、バスのルートで動いた方が良いとのこと。
また、Uberは高騰してたりするようですが、タクシーはこれに乗じて勝手に値上げすることは許されていないようなので、タクシーの方がオススメということです。ただし白タクなどに捕まる可能性もありますので、タクシー移動が必要な時は、予約をオススメします。私がおすすめなのはG7という会社です。→予約ページ
パリ市内は小さいので歩こうと思えば歩ける
よくパリ市内は東京の山手線のサイズだと言われます。と言っても、山手線の、例えば田端から品川って歩けないぞ…と思うんですが、
その中でも観光名所のエリアは近接してることが多いので、計画次第では歩いていけるというわけです。
パリって歩いてて楽しいので、私も住んでた時は30分程度ならフィットネス代わりに歩くことも多かったです。

自転車で移動する(Vélib, Uber JUMP)
Vélib (パリ市が運営する自動レンタサイクル)
2007年に導入されてから、パリの移動手段として一般的なVélib。
これはパリ市による貸し出し自転車で、パリ市内のステーションどこでも乗り捨て可能(借りたところに返さなくてもいい)という非常に便利なシステムです。
私もパリ在住時にステーション検索をしましたが、結構どこでもあるので、借りるところ、返すところに困ることはあんまりないんじゃないかな?と思います。アプリ上で現在地から検索することができます。(→Android/iOS)
借りる方法ですが、以前はステーション脇のマシンでクレジットカード情報を入力したりしてましたが、現在は公式サイトやパス販売所でコードを入手するようになっているようです。→公式サイト(英語)
Navigoと連携させる時は、初回のみ自転車のハンドル中央についているところでスワイプし、コードやパスコードを入れて連携させる仕組みになっている模様。
2019年現在の料金は、観光客向けだと、1日利用タイプと、7日間有効タイプとあり、
1日利用タイプは24時間のレンタル基本料金が5€、7日利用タイプは7日間のレンタル基本料金が15€、それにプラスする形で
30分まで | 30分〜1時間 | 1時間以上 | |
普通の自転車 | 無料 | +1€ | +1€/30分ごと |
電動自転車 | 1€ | +2€ | +2€/30分ごと |
という感じになります。
ちなみに公式サイト(英語)で1Velibにつき5€(15€)と出て、この台数を増やすと等倍していくので、借りるごとに課金されるかのように見えますが、これは「同時利用台数」ってことになるので、例えば4人家族で4台使って行動したい時とかに使うようです。友人同士なら各自1台で借りた方が良いですね。
Uber JUMP
Velibもそこら中にあるステーションなら乗り捨てが可能でしたが、このUber JUMP は何とどこでも乗り捨て可能らしい!
私は使ったことないのと、日本からUberのサイトにアクセスして料金など調べようにも自転車のページにアクセスできないので、とりあえずパリの友人にUberのアプリにアクセスしてもらって調べたところ、まずロックを外すのに1€、1分ごとに15¢ということです。ということは30分使うとVelibの普通自転車を使うより50¢高い計算かな。
でもどこでも乗り捨て可能っていうのは便利ですね。Velibはステーションがそこら中にあると言っても、乗り捨てたいステーションがいっぱいで、もう一つ向こうのステーションまで行ってきた!ということも昔ありました。Uberのアプリで簡単にできるそうですし、現在地からの検索も地図上に現れるようになってるようです。
自転車の注意点。
これは何と言っても、歩道は絶対に走っちゃダメ!ということです(日本も原則ダメなんですけどね、そこはルール重視の国にしてはなぜか現状守られてませんね)。見つかると罰金です。何年か前に罰金請求されてるところを見ましたが、20€とか言ってた記憶です。見つからなくても、普通に道ゆく人にめちゃ怒られると思いますので、日本の感覚でやらないように注意してください。基本的に自転車専用道路を走りますが、もちろん自転車専用道路がないところもあります。
私は実は4年ほど前に数回乗りましたが、Velib慣れしてる友人の後をついて車道を手で合図しながら曲がったりするのが怖すぎて、すぐやめました(笑)当時のパートナーにも危ないと反対されましたし…
日本で、車道を自転車で走ることに慣れてるような方や、現在地から目的地まで自転車専用道路があるとわかってる場合にオススメですね。
電動キックボードを借りる
日本ではキックボードって、昔大学生とかの間でも流行りましたが、そんなに移動手段としては使われてた記憶がないし、現在は子供が公園で遊ぶ、というような感じではないでしょうか。
ところがパリではキックボードってめちゃめちゃ移動手段として使われてるんですよね。
電動キックボードもしかりで、これもそこらへんに乗り捨てできる仕組みのようです。
他によく見るのはLIMEという会社だそうです。Android/iOS
またUberも提供しているそう。料金体系は上のUber JUMPの自転車と同じくらいだとのこと。
ちなみに私がパリにいた頃は、みんなキックボードで歩道走っていて、「日本と自転車、キックボードが逆だな」なんて思ってたんですが、今は電動キックボードは歩道走っちゃダメらしいです。
ですから自転車と同じく気をつけなければなりませんね。
タクシーやUber
王道はこれですね…!(12/9追記:現地の方の情報によるとUber料金が高騰してるそうです…)
私はぼったくられるリスクがほぼないUberをお勧めします。アプリ決済なので運転手と現金のやり取りがないからです。(チップもアプリ上で払える仕組みになってますから、万一チップを現金で払え、なんて言ってきたら現金ないからアプリで払う、って言いましょう。でもそんなこと言ってくる運転手には払わなくていいと思います。ちなみに私はイングランドとパリで多用しましたが、そういうことは一回も経験ないです)
でも現地で使えるSIMがないと Uberは使えないと思います。

タクシーを使う場合は、必ず「タクシー乗り場」から、「TAXI Parisien」というグリーンランプのついたタクシーを選び、値段は交渉じゃなくメーターにして下さい。流しだと、正規ではないタクシーに引っかかるリスクが高すぎますし、中には正規のランプがついてるのにメーターを倒さず交渉でぼったくろうとする人もいます。
また、タクシーもサイトから配車を予約することができます。ホテルから移動する場合など、いいかもしれないですね。私はG7という会社を利用したことがありますが、とても良い運転手さんで良かった。予約ページ
パリは東京よりタクシー料金安いですが、それでも移動の全てではなく、計画していて歩けない距離などで使うと良いのではないでしょうか。例えばホテルが遠い場合など。
現地発のツアーを利用する
パリ市内を自力で動きにくいなら、バスツアーを使うのはとても便利だと思います。
パリ市内の観光だけじゃなく、ヴェルサイユに行ったり、もっと遠出するにも良い機会かもしれません。
単にバスで楽、というだけではなく、ルーヴルやヴェルサイユ宮殿など個人では入場に時間がかかりそうなところもすぐ入れて楽ですからますますお勧めです。
例えばMYBUSさんですと、集合場所も無人運転の14号線が通るピラミッド駅の近くのようですから、便利なのではないでしょうか。
→→MYBUSツアー
空港からは、タクシー乗り場から定額制を確認して乗ろう
私は基本的に、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内は空港バスがお勧めです。→Le bus direct
ただ、モンパルナス にしろ、リヨン駅にしろ、そこからホテルや宿泊先に行くのにストがあるから行けないかもしれないなら、空港からタクシーに乗ってしまった方が良いかもしれません。
現在のところ、空港からパリ市内は定額制で、右岸は50€、左岸は55€です。
ホテルの前まで行ってくれるわけですから、楽ですしいいですよね。
ただ、空港にはぼったくりの客引きがウヨウヨいますが、声をかけられても全て無視し、必ずタクシー乗り場から乗って下さい。
おそらくタクシー乗り場から乗ったタクシーは大丈夫ですが、万が一ぼったくってきたら、この公式サイトを見せて、定額制だよねと言って下さい。窓に書かれた番号を写メってSNSでフランス人の友人に送ったと言ってみてもいいかもしれませんね。
でも今まで、空港のタクシー乗り場から乗ってそういう目にあったという話は周囲では聞いたことがないのですけど、念のため。

それではスト中でも楽しく観光されることを!
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