一応、過去にはイングランドに住んでたこともあり、当時は試験やらレポートやら一段落つく度に出てきてたロンドン。
その後も度々ロンドンには滞在したりしてたので、パリの次に馴染みがある都市です。
今回はそんなロンドンでも、貴族の館がそのまま美術館として無料公開されているウォレスコレクションをご紹介します!
実は大英博物館をはじめ、入場無料のミュージアムが多いロンドン
入場無料なのはウォレスコレクションだけではなく、なんとあの大英博物館も無料です。(任意で寄付できる箱はあります)
というのも、大英博物館の展示はもちろん英国内をはじめヨーロッパのものなどが正当に運び込まれて展示されてもいるのですが、7つの海を制した大英帝国が世界中から集めたものが展示されているので、現代、世界中から来た人たちに対し、それで金を取るわけにはいかない…ということらしいんですね。まあ、確かにエジプト人もロゼッタストーン見るのにお金払わされたら心情的に複雑すぎますよね。
それに倣ってか、ナショナルギャラリーやヴィクトリア・アンド・アルバータ(V&A)博物館なども無料なんです!
代々コレクター癖のある侯爵家のお宝がズラリ。
この館は18世紀にマンチェスター公爵によって建てられました。その名残で館の前にあるスクエアはマンチェスタースクエアと言われています。
ですが、18世紀末にはハートフォード侯爵が貸借権を買い、この侯爵家が受け継いでいくこととなりました。この家は富裕な令嬢との結婚によって(持参金や嫁が受け継いだ遺産などで)非常に裕福で、様々な美術品や骨董品、果ては甲冑や鎧などコレクター癖を満たせるお金があったということです。
この館がコレクションごと国に移管したのは1900年のことで、最後の主となったリチャード・ウォレスの名を取って、ウォレスコレクションと呼ばれるようになりました。彼は侯爵家の庶子であったために爵位は継げなかったんですが、嫡子のいなかった父親から邸宅とコレクションは受け継いでいたんですね。
オクスフォードストリートから少し入ったところにあるウォレスコレクション。
この日は大英博物館の方にあるお店でアフタヌーンティーをしてからウォレスコレクションに行くことにしたため、ロンドンでも最も賑わうオクスフォードストリート沿いをロンドンの2階建バスに乗って移動。ロンドンで有名なデパート、セルフリッジズのバス停で降りました。
地下鉄(ロンドンではtubeと言います)だとBond Streetが近いですね。
いざ!貴族の館に潜入
この時まだ3時半くらいなんですが、もう薄暗いですね(笑)夏はいつまでも明るいイングランドですが、冬は日が非常に短いので気も滅入りがち。でもそんな冬のロンドンにて、オクスフォードストリートの華やかさから少しだけ入って昔の貴族の館に入る時のワクワク感といったらありません。
いかにも貴族の館といった入り口のホール
玄関を入るとこんな感じ。中央にこうしてしつらえられた階段がいかにも邸宅ですね。
入り口の端の方にある大鏡と時計。この感じが、普通の美術館に来た時とは違って個人宅感があってときめきますよ。
超貴重な壺やら時計やらが当時のままに飾られる部屋からフランスの絵皿などのコレクション棚が並ぶ部屋へ
この肖像画がいっぱいかかった部屋は、玄関ホールの右にあります。大事な客が最初に通される部屋だったそう。シャンデリアを含め、元々の装飾に戻したそう。左下に見える3つの陶器はロシアの大女帝エカテリーナ2世のセーヴル焼きだそう。
こちらはリモージュ琺瑯と呼ばれるもので、フランスのリモージュという地域の製法で作られたお皿や陶器など。大体16世紀ごろのものが多いようです。
こちらも16〜17世紀、フランスのもの。
絢爛豪華な家具や陶器が飾られる趣向の違う間を次々抜ける
キャビネットや机などの調度品がすごい。やはり17世紀のフランスの作品多し。
そして次の間に抜けますと
ギラッギラの時計付き豪華机。こちらはイングランド製で19世紀。
ロココ調なお部屋と名画、壺。
フラゴナールの名作「ブランコ」が飾られる
この18世紀のライティングデスクも素晴らしい。
セーブル焼きのコレクションが素晴らしい
この部屋で目を奪われたのはセーブル焼きの壺やお皿、カップなどが陳列された棚です。
18世紀あたりのものが中心ですが、美しい!
グレートギャラリー
ヴァン・ダイクによる肖像画や、ルーベンスの風景画も飾られる大きなギャラリー。
鎧や甲冑、大砲などがぎっしり
1階には、かなり広いスペースを取って武器などが陳列されていました。
銃や剣、甲冑など。
こちらは北イタリアの大砲。17世紀。
馬用の甲冑も!
1時間半弱では足りない!
いや〜、ロンドンど真ん中の貴族の私邸なんてカントリーハウス(地方のどでかい貴族のお城みたいな屋敷)に比べたら狭いでしょ?という気分で行った私が間違いでした。思ったよりも広く、一つ一つの作品を堪能している暇がなく、駆け足になってしまいました。
あまり時間がない時は、事前に公式ページ(英語のみ)を見て、目当てのものを予習しとくと良いかもしれません。
帰り道のロンドン。ちょうど12月でクリスマスのデコレーションで彩られた街。

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