昨年9月末のことですが、沖縄本島を訪れた1週間、近くで台風が停滞しているという感じでした。
といっても徐々にという感じだったので、それに合わせてスケジュールを組みました。

首里城には大分風速も上がってきて、これはシュノーケルツアーとかも出ないだろうな、という日に行くことにしました。
上の記事でも少し書いてますが、正直、「復元なんだよね?」と思っていて、そこまで期待してなかったんです。
でも、予想を大きく上回る素晴らしい体験でした。そして、沖縄に対する気持ちがより深まりました。というのも、
「ああ、ここには明治に入ってからも琉球王国があったんだなあ。それなのにたった60年ちょっと後に日本のために、あんな戦渦にしてしまったとは…」
という思いを強くしたからです。
そしてやっぱり、これ以上沖縄を犠牲にし続けることは許されない、との思いを強くしました。
600年の歴史ある人工池(龍潭)を通って首里城入り口へ
ゆいレールの首里駅から表示の通りにまっすぐ歩いていくと、まず龍潭という人工池が見えてきます。
ただの人工池と思うなかれ。こちらは冊封使(中国からの使節)の進言によって造成された人工池で、それは1427年とのこと。600年もの歴史があります。
いろんな種類の水鳥がいて、よく見ると見たことない鳥も…「バリケン」という本土では見られないような鳥もいるそうです。
龍潭池をすぎると、首里城への入り口も近くなっていて、表示の通りに進むと守礼門が見えてきました。
守礼門を入ると一気に異国の歴史空間
異国の、と言っても、これを読んでくださってるのが沖縄の方だと異国でもなんでもないのですが、私のように本州から来てると、日本の城や寺社仏閣とも違う、見慣れない異国空間が広がる感じでした。
16世紀の尚清王の時代に創建された守礼門。「守禮之邦」と掲げられていて、「琉球は礼節を重んずる国である」という意味だとか。
そのまま進みますと、城郭に通じる門が見えて来ます。
歓会門。冊封使を歓迎する意味で創られた15世紀の門ですね。石のアーチの上に木の櫓。
階段を上った先にあるのは瑞泉門。門前に龍の口から湧水が湧き出す水飲み場があることから。
その瑞泉門を抜けていきます。
後ろを振り返った光景。 シーサーも鎮座。人家のシーサーよりやはりきりりとしてますね。
そしてさらに階段を上って漏刻門。この櫓の中にある水時計と、少し離れたところにある日時計で時間をはかっていたそうです。
ふと見たら、すごい絶景で。この城郭に入るまでの道と市街地が並行してる感じが、ハイデルベルク城を思い出しました。


いよいよ正殿に通じる御庭の方へ入城!
上の絶景スポットが眺められるところにあるのが広福門。
広福門を過ぎると券売所がありました。2018年9月は大人820円、高校生620円、小・中学生は310円でした。6歳未満は無料。
こちらが奉神門。ここまでいくつもの門を通って来ましたが、ここが最後の門ということになりますね。3つ入り口がありますが、中央は国王や冊封使だけが通れるところだったそうです。
でも現在は我々も通れます(笑)ここで券を見せて中に入ります。係員の方達の琉球の衣装が可愛いですね。
中に入ると正殿が見え、他、北殿、南殿・番所に囲まれた御庭になります。御庭というか広場ですね。
ここで国王を前に官吏たちがずらっと並んだのでしょうか。真ん中の道は国王と、中国からの使節である冊封使などしか通れなかったそうです。
この時は、塗り直し作業が行われていたので、正殿などに幕が下ろされていた(建物の絵が施されている)のは少し残念でした。
ね、よく見たら絵が描かれた幕だったんです。
正殿大龍柱。向かいにもあって、阿吽になっています。
内側から見た奉神門。中央の入り口から真ん中の道が続いていますね。
男性のスタッフも当時の衣装です。
いよいよ中へ!南殿・番所〜書院・鎖之間〜近習詰所、奥書院
御庭(中庭)で当時の雰囲気を存分に感じた後は番所から中に入っていきます。
南殿・番所
まず番所の方から、ここは取次所だったようですね。南殿は年間の行事が行われ、薩摩藩の使いの接待も行われていたそうです。
首里那覇港図。当時の栄えていた様子が描かれています。
「御涼傘(うりゃんさん)」と呼ばれた中国風の傘。日傘の目的というより、国王などの行幸に装飾として使われたそう。こういうの見るとワクワクします。
こちらは正殿の屋根の部分の装飾が展示されてます。
2階に上がります。
この南殿の廊下から見る正殿と御庭の様子。
書院・鎖之間と庭園
こちらに入ると、急に雰囲気が一変、日本(いわゆる本土)っぽい雰囲気を感じます。
国王の執務室、そして王子の控所として使われていたそうです。
この御庭の雰囲気も和な感じもしますよね。
内炉の間といって茶室へ。
茶室と障子、庭園が南国らしさもあるけど他の部分と比べて、なんとも「和」な雰囲気を感じていました。
近習詰所、奥書院
こちらは近習詰所にあった鈴で、御庭から御内原への取次に使われたものだそう(想定再現)。
こちらは国王が執務の間に休憩していたという奥書院。
そして、いよいよ正殿の中へ!!
次回に続きます。

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