私はパリではいくつかの語学学校に行ったのですが、その中で住んでいた15区から少し遠目の5区の学校に通っていた時、メトロの方が早いので行きはメトロだったんですが、帰りは殆どバスを使ってたことがありました。
というのも、東京の電車も嫌いなんですが、パリのメトロも新しい車両の線はキレイですが、多くはあんまりキレイじゃないし、何となく夕方に乗ると気が滅入っちゃうんですよね。
でも、バスだと「パリに住んでるなあ〜」とウキウキするような街並みを見て帰れるので、楽しかったんです。
中でも、このパンテオンはそのバスのルートの中でも1番の見所で、少しパリ生活に疲れてる時でも、「私は本当に毎日こんな光景が見られて幸せだなあ」と思って少し元気になってたりしました。
ここをぐるっと回るようにして、そしてパンテオンを背にして道を進む、という感じだったのですが、振り返って見たり、後ろの4人席でも敢えて進行方向逆側の席に座ってパンテオンを眺めてました。
にもかかわらず、中に入ったのは1回だけなんです。
いよいよパリと別れて日本に本帰国しようという時に近くまで来る用事があったので、「そういえばパンテオンの中に入ったことないな〜」と思い出し、ふらっと入ってみたのでした。
まずはこの美しい外観を見てください
ちょっとお天気が悪い日だったのですが、この建物が周辺を圧倒するシンボリックな建物であることがお分かりいただけると思います。
ペディメントという古代ギリシャ建築にある装飾は真ん中に国家と自由、左に政治家と学者、みぎに軍人の彫刻が施されていて、この円柱はコリント式というそうですが、本当に美しい!
この精緻な彫刻。ウットリ。
この入り口の先は有料です。
パンテオン(パリ)とは
パンテオンはギリシャ語で、神殿の意味になるようです。当初はパリの守護聖人、聖ジュヌヴィエーヴに献堂するために1755年に設計のコンペがあり、ジャック・ジェルメン・スフロとジャン・ロドルフ・ペロネによって設計されました。
数十年後にフランス革命が起こり、国民議会によって偉人のための霊廟とする案が持ち上がり、現在に至っています。
パンテオンへの行き方、開場時間、入場料など
近くのメトロ駅といえば、Jussieu(10号線)、Place Monge(7号線)、Maubert – Mutualité(10号線)Odéon(4,10号線)あたりですね。
また、RERのLuxembourg駅からも歩いていけます。
ただ、バスの方がそのままPanthéonという名前のバス停があるので、お泊まりのところからバスが通っているならその方が上に書いたように風景が楽しいのでオススメです。(75,84.89番)
開場時間と入場料
2019年10月で公式サイトに出ている開場時間は
1月2日〜3月31日 | 10:00~18:00 |
4月1日〜9月30日 | 10:00~18:30 |
10月1日〜12月31日 | 10:00~18:00 |
となっており、最終入場時間は閉館時間の45分前となっています。
入場料は9€ですが、25歳以下の方は7€。ちなみに観光者用のミュージアムパスにも対応しているそうです。
ふらっと入ったら中は素晴らしい美術品に溢れていた!
実は、ここで告白しなければならないことがあります。あまりにもふらっと入ったのと、まだこのブログを始める前だったので前知識も何もなく、適当に見て回ってただけだったのですが、実はここは「フーコーの振り子実験」が行われたところで、それがそのまま残されているそうです。
今、それを知って「え〜、そうなの?なんとなく覚えてるけど(泣)」という感じです。なので写真に撮ってません…
とりあえず、その時私がフィーリングで「キレーイ」と思いながら撮った写真をご紹介します。
この内部の彫刻装飾の見事さ。
天井のガラスから柔らかく光が差し込む感じが本当に設計の素晴らしさを感じます。
そして巨大な絵画がたくさん飾られているのも圧巻の光景。
ドームの天井ですが、この日は修復作業でもしていたのか?ネットがかけられていたのが残念。
こちらは確かジャンヌ・ダルクにまつわる絵画だったと思います。
こちらは上のモザイクも非常に美しい上に、下の彫刻はフランス革命後の国民議会の様子を描いたもの。このパンテオンの歴史を物語っていますね。
こちらもジャンヌ・ダルクですね…
この内部のスケール感を自撮りで現したかったんですけど、どうでしょう。
地下は沢山の偉人が眠る霊廟に!
地下はこんな様子になっています。マリー&ピエール・キュリー夫妻、ヴィクトル・ユーゴー、ジャン=ジャック・ルソー、ヴォルテール、アレクサンドル・デュマ、エミール・ゾラなどフランスの生んだ文化人、科学者を中心に偉人が多数眠っています。
実は、この辺りでiPhoneのバッテリーが切れてしまい、写真撮れてないんです(汗)
これは霊廟のフロアをずっといった突き当たり。
マリー・キュリーの霊廟も普通に入れました。「ほう、ここにあのマリア・スクロドフスカが…」と感慨深かったです。小1のころ、彼女の子供用伝記を繰り返し読んで尊敬していたので、呟きながら覚えた旧姓を未だに覚えてるのでした。マリア、というのは彼女はポーランドから大学進学のためパリに出てきたのですが、ヨーロッパの人の伝統的な名前は言語圏に合わせられがちで、ポーランドでのマリアはフランス語圏ではマリー、英語圏だとメアリーです。
彼女はポーランド出身で、発見した元素の一つにポーランドに因んでポロニウムと名付けるほどポーランド人としての自意識が高かったと思いますが、フランス国籍も取っています(二重国籍)。
そういう人のこと、フランス人はナチュラルに「フランス人」と思っています。余談ですが…
2019年8月に通りがかったパンテオン
この前パリに行った時も、夜歩いていて懐かしいパンテオンの近くを通りがかったので写しました。
夜に見ても、本当に素敵な建物です。
とりあえず、見るべきものは沢山ありすぎるパリですが、パンテオンもオススメしたい場所の一つです!
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