パリで通ったフランス語学校の一つで知り合い、仲良くしてもらってる韓国人のお友達がいます。
2018年に本帰国した数ヶ月後、観光客として夏にまた2ヶ月半フランスに滞在していました(ビザなしの場合、日本人はシェンゲン協定諸国内に90日までいられますね)。
カフェで話していて、こういうブログを始めたと見せたりしていて、話がアシアナ航空の話に。
最初は大韓航空のスキャンダルの話を私が振ったんですが、彼女が
と話し出しました。
日本のニュースサイトでも今は出てますが、聞いた時点では初耳だったので、スターアライアンスということは今後使う可能性も高いと思っていた航空会社なだけに驚きつつ聞きました。
日本のニュースサイトだと結構ざっくりしてるので、彼女の話や、他韓国メディアの英語版などを読んで、この騒ぎが一体何なのかということをまとめたいと思います。
2018年7月1日(日曜)、38機が機内食なしで飛び立ち、また51機が遅延。この機内食問題は数日続いた
月曜になっても27%のアシアナ航空機が遅延し、
と言います。
その中には12時間のフライトもあったそうで、12時間機内食なしっていうのは、なかなか厳しい状況ですよね。
その代わり、アシアナ航空は
そうです。
きっかけはアシアナが今月から採用していた大手ケータリング会社の火事
アシアナ航空は長らくルフトハンザの子会社のケータリングを使っていたようなのですが、その契約を6月で打ち切り、新たに中国の大手HNAグループの傘下にあるGate Gourmet Korea(GGK)と新たに契約を結んだそうなんですね。
しかし、
そうなのです。
そのため、アシアナはこの7月から3ヶ月だけの臨時契約を、Sharp Do & Co.というずっと規模の小さい機内食ケータリング会社と結んだそうなんですね。
Sharp Do & Co.は1日3千食を提供する規模の会社だった
大手のGate Gourmet Koreaに比べて、Sharp Do & Co.はかなり規模が小さく、機内食に特化したケータリング会社とはいえ、それまでは1日3千食を提供する規模の事業者だったようです。
それが、アシアナが必要とするのはその10倍近い26,000食。毎日ですよ。
どうしてそんな契約が取られたのか不思議なくらい、ありえない差ですよね。施設、従業員的に。しかも3ヶ月という臨時期間に対して、そんなに大幅に体制変えられないですし。
その規模の会社でもさらに5つの下請け業者がいたようで、今回のことを苦に自死されたのはその下請けの社長らしいのです。
アシアナは、Sharp Do & Co.との契約で機内食の納入の遅刻には15分単位で厳しいペナルティを課していた
これはもちろん、飛行機を遅延させるということではないですよ。おそらく、搬入させる時間は余裕を持っているんでしょうから。
でも、
そうです。
そうなるとSharp Do & Co.も同じことを下請け業者に要求せざるをえない。
アシアナという大企業の前にはどんな無理でもきくしかなかったんでしょうか。もちろん航空機の遅延に繋がりかねないので厳しくする必要はあると思うのですが、こんなイレギュラーな体制で、ちょっと逆算としてあまりにもプレッシャーですよね。
自死した下請け業者社長は、「遅延はお前のせい」と責められたそうで、28時間働き続けた後、死を選んだ
この社長さんのお友達がハンギョレ新聞に語ったところによると、月曜の自死の直前、この社長は、
とお友達に言ったそうです。
その「会社」がアシアナなのかSharp Do & Co.なのかは不明とか。
しかし過酷すぎますよね。あまりにも。機内食という特性だから急に下請けを増やすこともできなかったのでしょう。
今また、直前まで長年契約していたルフトハンザの下請けケータリングと争いになりつつあるらしい
アシアナは今回の件でウェブサイト上で乗客への不便を謝罪したそうですが、今度はその前に契約していたケータリング会社との間に問題が起こりつつあるとか。
また今度記事にするかもしれませんが、機内食って何気なく食べてきましたが、考えてみればそんな風に
と今回のような大変な事態になるということがわかりました。
アシアナには乗ったことがないので機内食もよく知りませんが、ルフトハンザの下請けが作っていたとは、意外でした。
今回亡くなられた業者さんは本当にお気の毒なことです。いわゆる孫請けですよね。細分化されてたのだろうと思いますが、上が勝手に契約し、その無謀な条件を押し付けられた上に遅延はお前のせいなんて責められたとは、28時間もぶっ続けで働いてるような状況では普通は精神的に壊れてしまうでしょう。
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